発行元:菊池とおこ【瞳光舎】
どこか奇妙で、ありえないのにそれらしくなりたち、ヘンな可笑しみさえ感じられるような物語たち。8編の掌編集(2011年7月14日、第8話「月」追補)。
IMGSRCIMAGESCOVERJPGSTYLEWIDTH100朝何か水つぽい夢から目が覚めると自分は大きなくらげになつているらしかつたカーテンの隙間から日が差していたその日は自分の体を透かして布団に光の文様を作りそれがいかにもくらげらしかつた枕元の時計を見ると八時を回つていた急いで会社へ行かなければならない時間であつたBR体は膜状で妙にすかすかとしふわふわと心もとなかつた布団に押し拉げられるような気分がしたこんな布団からは早いところ這い出さなくてはならない掛け布団と敷布団の間の僅かな隙間を縫うようにしてやつと布団の外に逃れ出たBR顔が洗えるかどうか不安であつたが丁度長い触手が二本伸び手のように使えるらしかつたタオルを使い洗面所の鏡をつくづく見るとやはりくらげであつたその時になつてやつとどこが顔だか分からないことに気付いた今洗つた部分は一体どこだつたのだろうかもうはや分からない恐らく傘の部分だろうとは思うがそこが顔なのかどうかはまた分からない化粧などはすべきなのだろうか成る程化粧品類は箱に収まつてそこにあるが今までどうやつて化粧をしていたのか分からなくなつていたBR部屋に戻つて床を見